「漁師唄」津軽三味線レコーディング/2019年1月リリース予告 – Nash ブログ

著作権フリー音楽・効果音・BGM素材 Nash Music Library

「漁師唄」津軽三味線レコーディング/2019年1月リリース予告

見出し本格的な津軽三味線をレコーディング

近日リリース予定の新作「漁師唄/Wild Japan (仮タイトル)」のレコーディングに津軽三味線の大家である久保比呂誌さんにご参加いただきました。なんとナッシュスタジオにお越しいただいたのは十年ぶり!!光陰矢のごとしなり・・・津軽三味線の旋律・奏法について逐一久保さんに相談・確認を行いながら収録を行いました。

 

 

オーソドックスな津軽三味線の奏法を中心に、ニュアンスに富む円熟の演奏を聴かせてくださった久保さん。津軽三味線を全国に広めた初代高橋竹山師の「津軽じょんから節」に感銘を受け、大学時代は作曲科に在籍するピアニストでありながら津軽三味線奏者を志して竹山節本流継承者、田中竹仙氏に入門したと言う異色の経歴を持っておられます。録音の合間に、三味線について色々と興味深いお話を伺うことができました。

 

見出し三味線奏者 久保比呂志さんインタビュー

 

―三味線は海外でも人気が高いですね。

久保さん:三味線で使用するペンタトニックは世界中の音楽で使われているユニバーサルな音階ですから、理解されやすいのかも知れません。三味線という楽器はとにかくレ・ファ・ソ・ラ・ドの五音階がズン!!と凄く響くようにできているんです。

―一気に引き込まれてしまう独特のサウンドです。

久保さん:三味線はペンペンペンペン革に跳ね返ってひたすら前方に鳴る。ギターのようにボディ(空洞) の中に響くのではない、言わば何物にも包まれていない”裸”の音。ちょっと恥ずかしい音なんです(笑) 後は、長唄なんかの優雅で上品な三味線は好きだけど津軽はジャンジャカうるさくて苦手、等と言われますが、好き嫌いが分かれる津軽サウンドの迫力・インパクトですね。

―三味線の音色は和楽器の中でもずば抜けてユニークですね。尺八にはフルート、琴にはハープと言ったように、西洋の楽器にも対応するものがあるような気がしますが、三味線に似ている西洋楽器はにわかに思いつきません。

久保さん:だから、クラシックやジャズやシャンソンとか、いわゆる西洋音楽のメロディーを三味線で演奏すると笑っちゃうようなことになる。アンサンブルに混じるとすごく浮くんです (笑) オペラ歌手の面々の中に一人だけ民謡の歌手が混じる感じで、全く違うんですね。

―確かに、和楽器以外のアンサンブルであまり耳にしたことがありませんね。久保さんはナッシュスタジオの録音によく参加いただいている出口煌玲さん (龍笛・篠笛奏者)や、折本慶太さん (和楽器奏者) と日頃から共演していらっしゃいますね。

久保さん:出口さんとはつい先日、奈良の大仏様のすぐ”ヨコ”で演奏をしてきたばかりです。出口さんは本当に幅広いスタイルのバンドやアンサンブルで演奏されていますね。それこそジャズとかロックとかフュージョンとか。和楽器の演奏だけではなく、様々なコラボレーションの催し・企画をプロデュースしている本当に多彩な方です。

―三味線はソロ演奏の印象が強いです。和楽器のアンサンブルの中というより、どこか孤高のイメージと言うか・・・

久保さん:津軽三味線の始祖である仁太坊は「人真似は猿でもできる」と言いました。津軽三味線はチューニングなんかも大変自由。とにかく自分の世界を追及する。人と違うことをする。そして非常に限られた旋律を一人きりで演奏するのですが・・・実は一人でコンサートを行うのは今でも怖いくらいなんです。

―久保さんのように経験を積んだベテラン奏者でもそうなんですか!?

久保さん:間が持つかな、と心配で (笑) だから話もできないといけないんです、間を持たせるために。その点、竹山先生 (初代・高橋竹山氏) は話もすごく達者でしたね。

久保さん:また、ジャンルは違いますが、ブルースの演奏家は音楽的にも精神的にも津軽三味線奏者に近いところがあり、共感するところが多いですよ。ところで、あまり知られていませんが、三味線のルーツは大阪なんですよ。

―え、そうなんですか!知りませんでした、不勉強で申し訳ありません・・・

久保さん:前身である三線が沖縄から大阪の堺に伝わり、それを堺の琵琶製作者が手を加えて三味線が出来たと言われているんです。(※16世紀末の琉球貿易によって伝わったらしく、豊臣秀吉が淀殿のために作らせた三味線「淀」は現存していて、現在の三味線とほとんど変わらない形状をしているとのこと) ただし、大阪では中々蛇が見つからなかったので猫で代用したんですね。

レコーディングに使用された久保さんの三味線。惚れ惚れするような美しい楽器です。

久保 比呂誌

見出しこの日は計5曲の三味線作品を収録

ここで一旦話を中断して最後の一曲をREC完了、となりました!久保さんによって計5曲のオリジナル作品に命が吹きこまれました。「勉強になりましたし、上達しました。また声をかけてください」とこちらが恐縮するほど腰が低く謙虚な久保さん。素敵な演奏とお話を本当にありがとうございました!!

 

なんと三味線のルーツであったここ大阪のスタジオからお届けする”録れ録れぴちぴち” の本格津軽サウンドを収録した「漁師唄/Wild Japan」のリリースは2019年1月を予定しております。是非お楽しみに!!