take

by

森堂 自

竹はますぐに、凛と立ち、
さらさらと音をたてて、風に揺れ、
青光りして、寡黙な香りを放ち、
ついぞ何ものにもなることなく、

うたわれることのないものを
名付けられることのないものを
触れられることのないものを
聞かれることのないものを
色付けられることのないものを

竹は、ますぐに貫いて、
立つ

森堂 自