音、虚空を貫き

by

森堂 自

どこまでも静謐な空の広がりに対峙するように、山肌に黒く蹲る岩は、
時折誰にも聞こえない、荒々しい叫び声をあげる。

限りない空間をまっすぐに射るBeatはあたかも根源の力であるように、
虚空を貫いて、その基底に正反射する。

野性なるいのちよ、あるがままを響け。
捉えられ唱和されることを拒否し、
この世界を打て。

粗野なる存在よ、たたきつけるように響け。
孤として、独として、屹として立ちあがり、
この世界を打て。

もはや音なれば、まこと限りない空間へ
.....「音、虚空を貫き」

森堂 自