Wild Fire by 鳴尾牧子

Self Production Note ────────

二胡はシャウトするか?

鳴尾牧子ならきっとやるだろう...そんな想いに彼女はにこやかに、易々と、さりげなく超絶技巧で応えてくれた。驚愕のアルバムである。すすり泣くような、切々とした、等々二胡のステレオタイプのイメージを粉々に打ちくだいてくれたのである。あの繊細でか細い楽器が文字通り叫び声を上げた時、同じように繊細でか細い鳴尾はまるで、激しい振動となって悲しみとなって怒りとなって炎をあげるアニマとなって、聴いている私たちを打ちのめした。

二胡の音色は弾き手の声に似るのだという。なら、これはまたなんということだ。二重にも三重にも燃え立つ音は、めざましい新しい響きとなって私たちの前に忽然と立ち現れたのである。

梨木良成 (「Wildfire」Producer/音楽制作顧問)



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