Details of work

Halcyon

quiet emotion
小川泰典

01. confuse:7:39
02. colors:7:39
03. words:7:39
04. rill:7:39
05. tears:7:39
06. smile:7:39
 
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CD No.: NS-1237 / price:¥2,625. (税別 ¥2,500.)

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composed and performed by Yasunori Ogawa
(programming, samples, tapes, voices, and environmental treatments)
cover photograph by Ryozo Kitera
produced by Yoshinari Nashiki/Nash Studio Inc.
© 1999 Nash Music Publisher Inc., Osaka Japan

 

■小川泰典プロフィール

1967年・山口県長門市で生まれる。作曲家・大阪市在住

■quiet emotion(作品紹介)

僕は作曲の仕事もさせて頂いてますが、音楽の仕事をしているからといって、ミキシング・コンソールに足を上げて業界用語を連発しているような人間ではありません。

どちらかと言えば、10人もいれば埋もれてしまうような地味な奴です。
だからというわけでもありませんが、自分で作る作品も地味・・・というか、受け止める人自身が自由にイメージ出来るようなものにしたいと考えています。

僕の1stアルバム「quiet emotion」は、そんな音を作りたいという気持ちで作った作品です。
わかりやすいメロディや心地の良いハーモニー、グルーブするリズム、圧倒されるような熱いギターソロや、ソウルフルなヴォーカル、緻密なアレンジといったものは何も収録されていませんので、聴く人によって印象は様々ですし、同じ人が聴く場合でも、日によって異なった印象を受けることでしょう。

「音楽的な手法」から遠ざかる手段として、まず身の回りの音を使うことにしました。
それも特別な場所へ行かなければ耳にする事が出来ないような音ではなく、普段の生活の中でごく普通に聞く事ができる音をです。

例えばビルに囲まれた一角にある公園や、ショッピングセンター、自分の部屋や友達の家などで聞く事が出来るような音です。何てことない音たちですが、よく聴けば高性能なシンセサイザーでも太刀打ちできないような、とても面白い響きを持っています。
「1歳にもならない赤ちゃんがお母さんに向かって何か声を発している部屋の隣のキッチンで、ご主人が自慢のホットドッグの作り方を自慢げに解説している時にかかってきた電話に応える留守番電話の声」なんていう音は、シンセサイザーじゃ作る事は出来ないですよね。
それらの音をそのまま使っているわけではありませんが、自分の作品の中に盛り込むことによって、メロディやハーモニー、リズムといった要素から解き放たれ、自由に自分の好きな響きを作っていくことが出来るのです。

では、いわゆる「楽器」を全く使っていないかというとそんなことはありません。
ギターだけで作った曲もあります。但し「演奏」はあまりしていません。楽器を演奏する人というのは、楽器を持つと自然に何かを弾いてしまいます。僕もギター弾きのはしくれなので、ギターを持てば自分の好きなコードなり、ブルースのフレーズなり、昔弾いた事がある曲のおいしい部分を弾いたりしちゃいます。

それはとても楽しいことなんですが、安直に曲にあった音を弾くという行為は、おじさんが熱いお風呂につかって「おぉ~っほぉっ」とうなり声をあげてしまうのとあまり差がないような気もします。
だからこのアルバムでは弾くという行為から少し距離をおいてみたくなったのです。

これら非音楽的な音と楽器などの音楽らしい音を使って、自分の好きな響きを作っていくのは意外と大変です。 音をお手軽にコラージュするのはタブーなのです。 旅行などに行って撮ってきた写真を全部アルバムに貼ってしまうと、後から見た時、または他人に見せた時につまらないものになってしまうでしょう?
それに似ているかもしれません。

かと言っていかにも芸術っぽく眉間にしわを寄せながらやるものでもない。そのバランスをどう取っていくかに、作り手の個性が映し出されます。そこで僕は、音を聴くことに沢山の時間を使いました。音に対する思い入れを残しつつ無駄なものをそぎ落としていくことで、自分らしい作品に仕上がったと思います。

僕の個性が剥き出しになった分ゴツゴツとした感触の作品ですのでBGMにはなりにくいかもしれませんが、たまにはじっくり腰を据えてこういう音と向き合ってみるのもいいと思いますよ。

小川泰典
ホームページ http://www.threeweb.ad.jp/~yss/

■quiet emotion(曲目解説)

01. confuse
深く暗い亀裂から、非現実的な音像が沸き起こる。その深淵から生まれた音像は空間を劇的に滑走する。あるいは儚く漂い出し、奇妙に震え始める。この非現実的な音の混乱と喧噪は、不思議と都市の日常音に類似している。

02. colors
水と光が揺らめき合う音世界。鳥の鳴き声、雷音、マッチを点火する音など、自然を構成する要素たちが象徴的な記号になって戯れ合う。様々な音がゆるやかに調和しながら、印象派の絵画に見られるような輝く色彩を描いていく。

03. words
シンセサイザーのなめらかな波のような音を合図に、都会の喧噪のサンプル音、人の声、ピアノのシンプルなフレーズなどが規則的に現れる。あふれ返るように多彩な日常音がリズミックに美しくコラージュされている。

04. rill
ノイズ、金属音、ベースの鼓動が作り出す静的でモノクロームな音世界に流れ込むのは、シンセサイザーの新鮮なサウンド、生ピアノのフレーズ、インダストリアルな機械音、SF的な電子音、生活音、鳥の鳴き声、水の流れる音など、多彩な音の群れである。

05. tears
様々なシンセサイザーがの音色が触れ合い、重なり合い、反響しながら、とめどなく流れる一つの川を形成する。その厚い音の塊は透き通りながら揺らめいている。時折、シンセサイザーが呻くような、鋭く刺すような厳しい音を発する。

06. smile
人々や子どもの話し声、都市の喧噪、車の走行音といった日常の音と、水の流れに代表される自然の音が、繊細な鈴の音とシンセサイザーの淡い音の波に包まれながら溶け合っていく。いつの間にか人のぬくもりを感じさせる音空間が広がっている。

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